進級支援ブログ

OSCEの個別指導を実施中~代表052-220-5446~

医学部のみならず、歯学部、獣医学部、および6年生薬学部の学生では、ほとんどの大学で5年生から実際に病院で臨床に触れる臨床実習が始まります。

生理学、解剖学などの基礎医学、病理学、薬理学などの応用医学、さらに循環器内科など各科の座学を終えた学生には、いよいよ臨床実習に進むための資格が与えられます。

しかしその資格を得るためには、4年生で受験する二つの共用試験、すなわちCBTと OSCEをパスし、基本的医学知識と臨床技能を習得していることを社会に説明する必要があります。CBTが国家試験を意識したマーク式の試験、OSCEが実技の試験です。どちらも一朝一夕の勉強で合格できるものではなく、それまでのテスト以上に入念な準備が必要な試験です。両方の試験に合格して初めて、Student Doctorの資格を得て、臨床実習に参加できるようになる。ここではその中でも特にOSCEについて、当塾での指導内容も交えて紹介したいと思います。

  1. OSCEとは

客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination)の略で、全ての医学生が履修すべき必須の学習内容として公表された「医学教育モデル・コア・カリキュラム 教育内容ガイドライン(以下ガイドライン)」の中の、「診療参加型臨床実習に参加する学生に必要とされる技能と態度に関する学習・評価項目(以下学習・評価項目)」の示された到達目標学生が達成しているどうかを評価する試験です。平たく言えば、「臨床実習に参加しても遜色ない臨床技能を学生が持っているか確認する試験」問いことでしょうか。年に一回、模擬患者を用意した試験会場にて、学生が自ら1人で問診、身体診察など複数のブロックの課題をこなします。

  1. 試験の内容

OSCEの試験の内容は、具体的には9のブロック(医療面接、全身状態・頭頚部・胸部・腹部・神経・四肢脊柱の身体診察、基本的臨床主義、救急)に分散されたブースをローテーションしながら、各ブロックに同一内容の試験を受けることとなります。ブロックごとに制限時間が設定されており、学生はその制限時間内に患者設定と課題内容を把握し、ブロックごとに必要な診察を選択し、的確に行わなければなりません。例えば医療面接では、模擬患者を相手に実際の診療室で行われているような問診をとります。模擬患者は架空の疾患に関するシナリオを用意し、受験する学生は制限時間内に患者から主訴を元に必要な情報を聞き出し、まとめます。体の各部位の身体診察では、例えば胸部では実際に聴診器を使用して胸の音を聞いていきます。

  1. 対策

学習・評価項目に全ての課題内容の模範となる手技が記載されているので、基本的に学生はそれを覚えていき、友人などと実技をとして練習していくのが勉強法となります。顔の見知った友人同士でいわゆる「お医者さんごっこ」の様なものをするので、初めのうちはぎこちなさもあり、羞恥心もあるが、慣れてくると皆流暢に診察ができる様になります。

とは言え、患者役に寝てもらった状態で診察する課題があったり、特殊な機会を使用する課題もあるので、友人同士だけでなく、ある程度大学側からの練習場所と器具の補助があることが望ましいことは間違いないでしょう。また厚生労働省から模範となる動画も公開されているので、そちらを参考にすることも有用でしょう。

  1. 当塾での対策

当塾におけるOSCE対策は、主に医療面接の対策です。こちらは、上記の身体診察のようにマニュアル通りに評価項目を参考にしながら練習を繰り返せば良いというわけではありません。なぜならOSCEの試験の中で唯一、模擬患者と会話をする課題だからです。このことが何を意味するのかというと、要はコミュニケーション能力が求められるということです。当然課題の採点基準にも、コミュニケーション能力も含まれており、こちらが聞きたいことばかり質問する一方通行な診察ではなく、いかに自然な会話の中で患者から必要な情報を得るかをみているのです。

これには医療面接独特の会話の流れ、キーワード、質問事項などが多く要求される。もちろん1人の人を相手にする上での言葉遣いも重要です。

ということは、練習する際も、模擬患者役が必要となるのですが、学生同士であると、これがなかなか困難を極めます。なぜかというと、誰もOSCEを経験した事がなく、正解がわかりにくいからです。身体診察には教科書があります。出題される課題もあらかじめ予想し対策も可能です。しかし、医療面接では模擬患者のシナリオは当日まで分かりません。当然シナリオ、主訴によって質問する内容も微妙に変わってきます。

そこで、当塾ではOSCEを熟知した講師が、医療面接でつまずきやすいポイント、聞き忘れてしまいがちな質問事項、話し方、病歴の取り方のコツなど、医療面接におけるノウハウを指導しています。さらに、実際に講師が模擬患者として、シナリオを用意し、医療面接の模擬試験を行い、その中で改善点をフィードバックし、医療面接の対策をサポートしています。

 

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